介護職の退職後の雇用保険は加入期間と働ける状態で決まる

基本手当は、原則として離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが要件です。倒産・解雇などやむを得ない理由による離職では、離職前1年間に通算6か月以上で要件を満たす場合があります。

過去に基本手当・再就職手当などを受けた人は、その支給後の被保険者期間だけで算定する取扱いがあります。

被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切って数えます。賃金支払基礎日数が11日以上、または基礎時間が80時間以上の月を1か月と数える場合があります。在籍年数だけで判断せず、離職票や雇用保険の記録を窓口で確認してください。厚労省:基本手当Q&A Q2 ↗ハローワーク:雇用保険FAQ Q3 ↗

さらに、手当を受けるには「失業の状態」である必要があります。積極的に仕事を探す意思があり、健康状態などからいつでも就職できる能力があることが必要です。そのうえで、求職活動をしても仕事に就けていない状態が基本です。

療養・介護・育児で当面働けない人や、求職予定がない人は、通常の受給条件に当てはまらないことがあります。病気・出産・育児や親族の看護・介護で、退職後引き続き30日以上働けない場合もあります。その場合は受給期間の延長を申請できることがあります。

家族を介護しているだけで自動的に延長されるわけではありません。就職できない状態が続く見込みや申請期限・必要書類を、管轄ハローワークに確認してください。ハローワーク:雇用保険FAQ Q9 ↗

介護職の退職後の雇用保険は離職票と加入記録で確かめる

まず雇用保険の加入状況と離職票の内容を確認します。被保険者期間は、単純に「同じ施設に何年いたか」と同じではありません。

賃金支払基礎日数などを使って算定します。短時間勤務・複数の勤務先・過去の受給歴がある人は、勤務年数だけで判断できません。離職票と勤務記録を持参し、窓口で判定を受けてください。ハローワーク:雇用保険の手続き ↗

受給の前に確かめる書類(編集部作成)
確認するもの確認する内容次の行動
離職票1・2離職日、賃金、離職理由、被保険者期間記載に誤りがあれば、理由を示す資料と一緒に窓口へ伝える
雇用保険の履歴被保険者証・資格取得等確認通知書、過去の基本手当受給歴加入届出の有無が不明なら、本人・住所確認書類を持ってハローワークへ照会する。複数勤務先の離職票も持参する
本人確認・個人番号書類ハローワークが案内する必要書類最新の公式案内と窓口で必要書類を確認する
求職の準備希望する働き方、就職可能な時期すぐ働けない事情があれば、受給期間延長も含め相談する

加入届出の有無は、本人からハローワークへ照会できます。手元にある被保険者証や通知書も確認し、加入していたはずの期間が記録にない場合は窓口へ伝えてください。ハローワーク:雇用保険FAQ Q2 ↗

退職前に受け取る書類の確認は、介護職の退職手続きにまとめています。

自分の条件を書き込むときに

確認票を保存する(表計算用TSV) ↓

確認結果・未確認の点・確認日を書き込めます。利用者やご家族を特定できる情報は記入しないでください。

介護職の退職後、雇用保険の給付制限は退職理由と日付で変わる

待期は、離職票を提出して求職申込みをした受給資格決定日から、失業している日を通算7日間数えるものです。退職日から自動的に数えるものではなく、離職理由を問わず適用されます。

正当な理由のない自己都合退職では、待期満了後に給付制限があります。基準は申請日ではなく離職日です。厚労省:基本手当Q&A Q20 ↗ハローワーク:雇用保険FAQ Q5 ↗

次の表は2025年4月1日以降に離職した人の給付制限を扱います。それより前の離職は、当時の制度や個別の事情で扱いが異なるため、離職日を伝えてハローワークで確認してください。

2025年4月1日以降に離職した人の給付制限(厚生労働省の資料をもとに編集部作成)
離職日・条件待期満了後の給付制限
2025年4月1日以降の正当な理由のない自己都合退職原則1か月
離職日から遡る5年間に、正当な理由のない自己都合離職で2回以上受給資格決定を受けた場合、または重責解雇3か月

対象となる教育訓練等を自ら受ける場合に給付制限が解除される制度もあります。すべての講座が対象ではないため、対象訓練・受講時期・申出手続きを受講前にハローワークで確認してください。厚労省:教育訓練等による給付制限解除 ↗

介護職の退職後の雇用保険は求職申込みと失業認定を経て支給される

基本手当は、離職票を受け取っただけでは始まりません。求職の申込みと受給資格の決定を受け、決められた日に失業認定を受ける必要があります。次の流れを目安に、各段階で分からないことを管轄ハローワークに確認してください。ハローワーク:雇用保険の手続き ↗

申請から支給までの流れ(編集部作成)
段階本人がすること確認すること
1. 退職後雇用保険被保険者証と離職票を受け取り、離職日・賃金・離職理由を確認会社の記載が実際と違うときは、受給手続きの場で申告し、説明資料を持参
2. 申込み住所地を管轄するハローワークで求職申込みをし、離職票など指定書類を提出必要書類や窓口時間は最新の公式案内を確認。写真や口座確認書類などの扱いも事前確認
3. 資格決定受給要件と離職理由の確認を受ける個別の受給可否・給付日数・離職理由はハローワークが判断
4. 初回説明会資格決定時に案内された日時に出席。受給資格者のしおり・筆記用具等を持参受給資格者証・失業認定申告書を受け取り、初回認定日と求職活動の扱いを確認。待期・該当者の給付制限中も案内に従う
5. 失業認定原則4週間に1回、指定日に失業認定申告書と受給資格者証を提出求職活動や就労・収入を正しく申告。必要な活動回数と対象期間はしおりで確認
6. 支給・次回認定認定された日数分が指定口座へ振り込まれる。再就職まで認定と受給を繰り返す手続きページの振込目安は認定から通常5営業日。休祝日等で遅れる場合もあり、確定日ではない

受給手続きでは、離職票1・2、個人番号確認書類、身元確認書類、写真2枚を用意します。本人名義の通帳またはキャッシュカードも必要です。

写真は、今回と今後の支給申請ごとにマイナンバーカードを提示することで省略できると案内されています。書類の組合せや利用できる金融機関は、公式案内と管轄窓口で確認してください。ハローワーク:雇用保険の手続き ↗

介護職の退職後、離職票が届かない・理由が違うとき

離職票を希望したのに、離職日の翌々日から10日を過ぎても届かない場合は、会社へ処理状況を確認します。この10日は会社の届出期限に関する説明で、本人への到着保証日ではありません。

会社が手続きをしない、督促しても届かない場合は、住居所を管轄するハローワークへ早めに相談してください。身元確認書類と退職証明書など、退職したことが分かる書類を持参します。厚労省:基本手当Q&A Q5 ↗

離職票の理由欄に異議がある場合も、受給手続き時に伝えます。本人の申立てや資料、会社側の説明を確認してハローワークが判断します。会社の説明だけで離職理由が確定するわけではありません。

雇用契約書、勤務表、会社との連絡記録など、理由を説明できる資料があれば持参してください。何が事実と違うのかを時系列で整理しておきます。厚労省:基本手当Q&A Q7 ↗

介護職の退職後の雇用保険は家族介護の離職理由と受給期間延長を分けて確認する

家族介護で辞めた場合は、「離職理由の判定」と「就職できない間の受給期間延長」を別々に確認します。親族の疾病・負傷などで常時本人の介護が必要となり、家庭事情が急変して退職を余儀なくされる場合があります。このような場合、正当な理由のある離職と認められることがあります。ハローワーク:雇用保険FAQ (正当な理由のある自己都合離職) ↗

ただし、家族を介護しているという事情だけで特定の離職理由や給付制限なしになるとは限りません。資料を持って説明し、区分の判断をハローワークに求めてください。

介護の分担やサービス利用によって、就職できる曜日・時間を確保できる場合は、その条件で仕事に就けるかを相談します。「夜勤はできないが平日日中なら働ける」「週何日なら勤務できる」といった現状を整理して窓口に伝えましょう。

受給資格を保証する例ではなく、就職できる能力や失業状態の判定は個別です。働ける状態が整っていなければ、基本手当の通常申請ではなく、受給期間延長の相談へ進みます。東京労働局:求職者給付Q&A Q2 ↗

一方、介護で退職後も引き続き30日以上職業に就けない状態なら、受給期間の延長を申請できる場合があります。受給期間とは、基本手当を受けられる期限のことです。延長されても、介護で働けない間に基本手当を受け取れるわけではありません。ハローワーク:雇用保険FAQ Q9 ↗

延長後の受給期間は本来の1年に、働けない日数を最大3年加える取扱いです。就職できる状態に戻ったら、手続き前の人は求職申込みと受給資格の確認へ進みます。受給中に延長した人は、再開の手続きを確認します。

延長通知書など、必要書類を確認して速やかに管轄窓口へ相談してください。厚労省:基本手当Q&A Q17 ↗

延長申請は、就職できない状態が30日以上続いた後、早めに相談するのが原則です。延長後の受給期間が終わる前まで申請可能と案内されていますが、申請が遅いと所定給付日数を受け切れないことがあります。ハローワーク:雇用保険FAQ Q9 ↗

延長申請には、受給期間延長申請書と延長理由を証明する書類が必要です。受給資格決定前なら手元のすべての離職票2、決定後なら受給資格者証または受給資格通知を用意します。介護で働けなくなった日と状況を整理し、介護の事情を何で証明するかは管轄窓口に確認してください。

来所のほか郵送・代理人による申請も可能です。代理申請では委任状も必要なため、様式と添付書類を事前に確認します。厚労省:基本手当Q&A Q16 ↗

介護職の退職後の雇用保険は再就職が決まった時点で申告方法を確認する

退職後すぐに次の職場が決まっている人と、基本手当の受給手続き後に就職が決まった人では、確認する内容が異なります。手続き前に採用が決まった場合、基本手当の受給要件を満たしていても、再就職手当を含む各手当は受給できません。雇用保険の期間の扱いや必要な手続きは個別に確認してください。厚労省:基本手当Q&A Q42 ↗

受給手続き後に就職が決まったら、就職日と次の認定日を比べて申告日を確認します。就職日が次の認定日より後なら認定日に、前なら原則としてその前日に来所して申告します。

給付制限中の採用は前日以外でもよい場合があります。採用証明書の提出方法とあわせて窓口へ確認してください。厚労省:基本手当Q&A Q37 ↗

所定給付日数の3分の1以上を残すなどの要件を満たすと、再就職手当の対象になる可能性があります。離職理由による給付制限を受ける人は、待期満了後1か月間の就職方法にも条件があります。

ハローワークか、許可・届出のある職業紹介事業者の紹介による就職であることが必要です。待期満了前の就職や受給資格決定前からの内定など、ほかの条件もあります。厚労省:基本手当Q&A Q39 ↗

雇用保険の基本手当を受けながら短時間の仕事をする場合も、働いた日や収入などを失業認定申告書に記載して申告します。雇用保険の加入条件を満たす働き方なら、就職の手続きが必要になることがあります。給付制限中だから申告しなくてよいとは考えず、仕事を始める前に条件を確認してください。厚労省:基本手当Q&A Q35・Q36 ↗

介護職の退職後の雇用保険は受給期限と生活費を分けて見通す

基本手当には、離職日の翌日から原則1年間という受給期間があります。手続きを先送りすると、所定給付日数を残したまま期限を過ぎる可能性があります。ハローワーク:雇用保険FAQ Q9 ↗

退職後すぐに働ける状態で、離職票が届いた時点で就職が決まっていない場合、厚生労働省は速やかな手続きを案内しています。厚労省:基本手当Q&A Q6 ↗

一方、手当の金額や支給日数は、離職前の賃金、年齢、被保険者期間、離職理由などで変わります。介護職の月給や勤続年数だけで手取り額を予測できません。

家賃や生活費は、受給決定前から手当が入ると見込まず、支払い予定を整理してください。退職日・最終給与・有給休暇に加え、健康保険や年金の切替時期も確認します。

介護職の退職後の雇用保険は休養・年齢・再就職の事情でも確認する

介護職の退職後に基本手当を受ける条件は?

離職前の被保険者期間に加え、働く意思と能力があり、求職活動をしても就職できない状態などの要件があります。受給資格の有無や必要期間は、離職票などをもとにハローワークで確認してください。

介護職を退職後、しばらく休んでから仕事を探しても受給できますか?

すぐに就職できない状態では、基本手当を受けられない場合があります。病気・けが・妊娠・出産・育児や親族の看護・介護で、退職後引き続き30日以上働けない場合もあります。その場合は受給期間の延長を申請できることがあります。

介護をしていることだけで延長が決まるわけではありません。働けない期間や申請方法を窓口で確認してください。

60~64歳の定年等による退職では、離職日の翌日から2か月以内の申請で受給期間を最大1年延長できます。厚労省:基本手当Q&A Q14 ↗ハローワーク:雇用保険FAQ Q11 ↗

介護職の退職後、離職票の退職理由が実際と違うときは?

受給手続きの際に、ハローワークの担当者へ違いを伝え、離職理由を説明できる資料があれば持参します。離職理由は給付に影響する場合があります。自己判断であきらめたり、事実と異なる記載をそのままにしたりせず、窓口へ伝えてください。

介護職の退職前に次の就職先が決まっていたら、再就職手当を申請できますか?

手続き前に次の就職が決まっていた場合、基本手当の受給要件を満たしていても、再就職手当を含む各手当は受給できません。申込み前に再就職したときの雇用保険期間の扱いは、前回の受給状況などで異なります。ハローワークに確認してください。

基本手当の手続き後に介護職へ再就職したら、何をすればよいですか?

就職が決まったら、就職日と次の認定日の前後関係を確認して管轄ハローワークへ申告します。再就職手当は、支給残日数や雇用見込みなど全ての要件を満たす場合に限られます。採用証明書など必要な書類と申告日を窓口で確認してください。

介護職を65歳以上で退職した場合も、基本手当を受けますか?

65歳以上で離職した雇用保険の高年齢被保険者は、一般の基本手当ではなく、高年齢求職者給付金の対象になる場合があります。離職前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あること、働く意思と能力があることなどが要件です。

年齢は離職日時点で確認し、この記事の基本手当の受給期間延長をそのまま当てはめないでください。高年齢求職者給付金には受給期間の延長制度が適用されないため、管轄ハローワークに早めに手続きを確認します。東京労働局:求職者給付Q&A Q1・Q2 ↗厚労省:基本手当Q&A Q14の注意書き(65歳以上で離職した人) ↗

出典・参考資料

資料確認日:2026年10月23日。各資料の対象・掲載時点はリンク先と詳細欄をご覧ください。

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編集:介護のしごと選び 編集部。編集方針に沿って公的・公式資料を確認しています。